人と水

ママのカラダと水

芽生えたばかりの小さないのちを育む水。
おなかの赤ちゃんのために、
できるだけ「いい水」を選んであげたいですね。

- ママの栄養が伝わるメカニズム -

ママの体のなかで芽生えた小さないのち。新しいいのちは、ママの体内で約280日を過ごして成長し、誕生の日を迎えます。
それにしても、おなかの赤ちゃんはどうやって栄養をとっているのでしょう?

まず、ママが食べたり飲んだりした食べ物はママの胃で消化され、腸から吸収され栄養となって血液に入ります。ここまでは、妊娠していない人の消化吸収と同じです。違うのは血液に入った後。腸から吸収された栄養豊富な血液の一部が胎盤を通して、おなかの赤ちゃんへと流れ込み、栄養を補給するのです。
妊娠中にタバコやお酒類が禁止されるのはこのメカニズムのため。ニコチンやアルコールは血中に入り、そのままおなかの赤ちゃんにも流れ込むからです。ママがタバコを吸うと、おなかの赤ちゃんもタバコを吸ったのと同じ事になってしまうのです。
反対にママが栄養バランスのとれた食事、体にやさしい食事をするとそれはおなかの赤ちゃんにも良い影響を与えます。
例えば妊娠中積極的に摂りたい栄養素の代表、カルシウム。生まれたばかりの赤ちゃんには、まだ歯が生えていませんが、歯茎のなかには歯の元ができています。その歯の元になるのが妊娠中にママが摂ったカルシウムなのです。
栄養の流れを目で見て確かめることはできませんが、ママの摂りいれる栄養は確実に赤ちゃんに届いているのです。

- 妊娠中の水分補給 -

約90%が水分からできている体で、羊水のなかに浮かんで育つおなかの赤ちゃん。おなかの赤ちゃんの健やかな成長のためには、水分が不可欠。ママは必要な水分を絶えず補う必要があります。
また、ママの体の中ではおなかの赤ちゃんが育つと同時に、母乳の準備も始まっています。
一般に妊娠中にとりたい1日の水分量は、尿の量+500mℓとされています。健康な人の尿量は1日およそ1,000~1,500mℓとされていますので、毎日約2,000mℓの水分補給が目安となります。赤ちゃんの体をつくる大切な水。できるだけ「いい水」を選んで飲みたいものですね。
(妊娠高血圧症候群やむくみなどのトラブルがある方は、その限りではありません。医師に相談してください)

- 授乳中も水分補給が大切 -

妊娠中に好きな食べ物をセーブした分、出産後は思いきり!といきたいところですが、授乳中のママはもうしばらく食べ物や飲み物に気を使わなくてはなりません。母乳は、ママの血液が変化したもの。妊娠中と同じように、ママが食べたり飲んだりした物の成分が、母乳の中に含まれてしまうからです。
また母乳も約90%が水分で、ママが摂った水分からできています。つまり、赤ちゃんが1日に1000mℓの母乳を飲んでいるとしたら、ママの体から約900mℓの水分が消費されたことになります。
授乳中のママは、母乳として出ていく分も考えて水分を補給することが大切。水分不足は母乳の量にも影響を及ぼし、ママの便秘の原因にもなります。
水分補給必要量の目安は、尿の量+赤ちゃんが飲む母乳の量。できれば1日2,000~2,500mℓの良質な水分補給を。タイミングとしては、授乳の後がお奨めです。一度にたくさん飲むよりも、少しずつこまめな水分補給を心がけましょう。